作品353 de Havilland Sea Vixen FAW.1

de Havilland Sea Vixen FAW.1
イギリス海軍   サイバーホビー   1/72
イギリスのde Havilland社が開発したイギリス海軍向け全天候艦上戦闘機パイロットとレーダー操作者が並列に座る構造で、パイロットの風防とレーダー操作者の窓が独立して配置された変わった機種。



第1326話 Sea Vixen FAW.1完成
中国のサイバーホビー社製キットで香港ドラゴン社から発売された “de Havilland Sea Vixen FAW.1”が完成しました。

サイバーホビー社製キットは初めて製作しましたが、各パーツの合いが完璧で金型技術の優秀さに驚きました。
主翼の折畳みやフラップなどの可動部の取付けも考慮されており、特に折畳み構造部も再現していることに感心しました。
デカールもイタリアのカルトグラフ社製の物が添付されており、こちらも申し分ない品質でした。
欠点をあげるとすると組立に必要な情報が少ないことです。
主翼折畳み時の支え棒を取付ける方法など組立説明書の絵が判りにくいため取付に苦労します。
キットを組立てる前に仮組みするなどして必要な加工を事前に行う必要があります。必要な加工箇所は金型成形時に考慮されているため、組立説明書の手抜きと思われます。
また、塗装指示が十分でないため、細部の塗装は実機写真を参考にする必要があります。

金型設計上で一つだけ注文を出すとすれば、胴体下部に取付けるエアーブレーキ内側の胴体内部も表現し、アームも再考して欲しいと思います。

  
“de Havilland Sea Vixen”は英国のde Havilland社が英国空軍向けに開発し、1951年に初飛行したVixenという機種がもとになっています。
Vixenは初飛行の翌年、英国のファーンボロ航空ショーでデモ飛行中に空中分解し、多くの犠牲者を出したことで空軍の採用が取り消された曰わく付きのものです。
このVixenを改良し、海軍の航空母艦用に改造したものがSea Vixenで、1959年に部隊配属され1972年まで使用されていました。
とにかく変わった機体で、双胴の機体というだけでなく、機体を上から眺めると左右対称でなく、操縦席が胴体中心より左側に配置され、レーダー操作者の席はその右側に配置された天窓を持った部屋として独立しています。


このような双胴の機体としては太平洋戦争中「双胴の悪魔」と呼ばれ、山本五十六元帥搭乗機を撃墜した"Lockheed P-38 Lightning”が有名です。


完成した“de Havilland Sea Vixen FAW.1”は、主翼を折りたたんだ状態で製作しました。