作品438 百式司令部偵察機II型 戦車砲装備改造機


大日本帝国陸軍航空隊  ハセガワ製改造  1/72
陸軍最速の偵察機として開発された試作形式キ46の百式司令部偵察機新司偵)II型に九五式軽戦車の主砲として使われていた口径37mmの九四式戦車砲を機首に取り付けたもので、これ以降生まれる武装付き百式司令部偵察機の始まりとなった。



第2250話 戦車砲装備百式司偵完成
百式司令部偵察機II型を改造し、九五式軽戦車の主砲である口径37mmの九四式戦車砲を機首に取り付けた機体が完成しました。


この機体はソロモン諸島など赤道以南の南東方面に展開する日本軍に襲来する米軍の重爆撃機を迎え撃つために破壊力の強い戦車砲を搭載した迎撃機として作られたものです。
6機が西ラバウル基地に配備されることになりましたが、陸軍航空兵には慣れない洋上飛行と機体整備不良などで飛行中に行方不明になる機もあり、結果的に5機が西ラバウル基地に配備されました。
本機の特徴である戦車砲は単発式で、弾込めを操縦士が操作するため、操縦士の負担が増えることになりました。また、重量物を機首に置いたため機体バランスが崩れ、飛行性能にも影響を与える結果となり、目立った戦果をあげることができなかったようです。


今回製作した機体は西ラバウル基地に配属された第六飛行師団第十二飛行団特殊攻撃隊所属機です。といっても当時の写真が少なく、塗装の詳細や部隊マークなどは不明な点が多くありました。
西ラバウル基地に派遣された機体と要員が陸軍明野学校で訓練を積んだのちに派遣されていることから、部隊マークも明野学校のものにして迷彩塗装を加えた形でまとめました。

デカール垂直尾翼の部隊マークを除き、キット付属の物を使用しました。部隊マークは別キットから陸軍明野飛行学校の部隊マークを流用しました。
胴体内部に自作して組み込んだ37mm戦車砲や後部の偵察員席の前に設けた隔壁は、完成後まったく分からなくなり、自己満足だけが残りました。
今回使用したハセガワ製「三菱キ46百式司令部偵察機II型」は、パーツ数が少なく、問題も少ない良好なキットと評価しました。