第2200話 腹部大動脈瘤手術までの経緯


主治医となった外科医師から、腹部大動脈瘤の手術方法について説明があり、開腹手術により患部を人工血管に置き換える方法と、大動脈の内部にカテーテルを挿入し、患部を内側からステントグラフトと呼ばれるバネ状の人工血管で塞ぐ方法が現在行われているとのことでした。
医師の説明ではステントグラフトによる手術は患者の肉体的負担が軽いものの、長期運用については実績が乏しく、将来再手術を行う必要が生じた場合に困難な手術となる。このためステントグラフトによる手術は高齢者には向いた手術はであるが、体力があり今後も寿命が長いと思われる人には長期運用実績がある人工血管に置き換える開腹手術を勧めるとのことでした。


そこで私の体力と持病の有無を検査することになりました。
幸い頭部を除き、各種検査の結果では異常が見つからず、呼吸器系の持病は現在服用している薬を継続すること、循環器系の心房細動再発については負荷試験の結果に異常が見つからず、しばらくは心電図をモニターすることと心拍数を抑える薬を服用することで問題ないとの結論になりました。
また、採血の結果も各種成分に大きな問題がない事が分かり、手術のときに必要な輸血用血液については、他人の血液を使用するのではなく、一番安心な自分の血液をあらかじめ採血・保管したものを使用することになりました。
このため手術前2週間に2回の採血があり、各400ccの自己血を保管しました。


そんな経緯から私の手術方法は開腹手術により人工血管に置き換える方法となりました。
この方法では手術から退院までの必要な時間を医師に聞きましたが明確な回答がなく、今までの患者では2〜3ヶ月で退院しているとのことで、若干不安が残りました。