第2201話 腹部大動脈瘤手術


手術に先立ち、10月10日に硬膜外麻酔を注入する準備として脊髄にカテーテルが差し込まれ、静脈にも点滴用のチューブが取り付けられました。これは手術の時に血液をサラサラにする薬を使用するために、前もって差し込んでおくとのことでした。

手術当日の10月14日9時に手術室に運ばれ、麻酔医の説明を聞いているときから意識が無くなり、手術中の出来事がまったく分からなくなりました。
手術が終わり、麻酔が覚めた7時間後に手術室から出され観察室に運ばれましたが意識が朦朧としており、腹部に若干鈍い痛みがあり、やたら喉が渇いていました。
  
翌日、私の主治医で、執刀医でもある医師から手術の様子が聞けました。
腹部大動脈瘤の手術は、腹部の手術の中でも大変難しい部類にあたるそうです。
且つ、私の入院時の身体は身長181cm、体重97kg、腹囲110cm以上あったため、贅肉が厚く、内臓脂肪も多いために手術がより大変だったそうです。


手術は胸の胸骨下からへそを横断し、下腹部まで約30m以上開腹して行われました。
開腹後、腹の中にある内臓をすべて一時的に取り出し、一番奥にある大動脈瘤部分の手術を行ったそうです。
内臓の周りにも多くの脂が含まれており、取り扱いが大変だったそうです。
動脈瘤部分にY字型の人工血管を取り付け、瘤部分に溜まっていた血栓の原因となる古い血液の回収も行われたそうです。
動脈瘤部分の手術が終わり、再び内臓を腹の中に納めるのもその量が多く大変だったようです。
  
執刀医は東大病院勤務後、30年以上米国の病院に勤務していた方で、米国で年間400例を超える多くの手術を行ってきたそうです。
私の手術の印象は、贅肉と脂肪が多い大きな腹に接し、久しぶりに米国人を手術しているようだったとの事でした。
健康面を考慮して食生活から脂肪分をもっと減らすようにと注意がありました。


大変見苦しいですが、下の写真は手術3日後の状態です。