第1053話 航空自衛隊E-2C製作1


空中早期警戒機 Grumman E-2C Hawkeyeの製作は、主翼の改造から開始しました。
この機種はもともと米海軍の空母に搭載する艦載機として開発されており、空母の格納庫に効率よく収納するために長い主翼を折りたたむ必要がありました。
多くの機種は主翼の中程から上部に折りたたむ構造になっていますが、この機種は機体の背面に大きな円盤状のレーダーを取付けているため上部に折りたたむ事ができません。そのため複雑な転回構造により、胴体側面に抱き込む様になっています。
改造は主翼パーツを転回する部分を切り離す作業から始めました。
上下の主翼パーツの切断部分を明確にするためスミイレペンでマーキングしました。

  
上下パーツを重ねて切断部分が一致しているか確認したところ、ずれていましたので修正しました。


切断するところが複雑な形になっているため、カットラインが変わる箇所に目印とカッターの刃止めの為にピンバイスで小さな穴を開けました。


切断ラインに沿って注意深くカッターで切り込みを入れて行きます。一度に切り込まず少しずつ切り込んでいます。


ある程度切り込むと裏側にもラインが現れますので、裏側からも切り込みます。この時ピンバイスの小さな穴が位置確認の助けになります。


完全に切り離しました。


主翼パーツの全てを切り離したところです。


切断面は厚みがあるためボッテリした状態になってしまうため、内側からヤスリを掛けて肉厚を薄くしました。

 
肉厚を比較するため切断面に着色してみました。左側が切断した状態のもので右側が薄く加工したものです。


切断面の内側に隔壁を設けました。隔壁は板厚1mmのプラバンを使用し、現物合わせで削って作りました。小さな隙間はパテを埋めて表面を整えています。