第376話 能登への旅 家内の実家


今回家内の実家に出かけたのは、家内の父の十三回忌法要と母の十七回忌法要に参加するためでした。
今回の旅で家内が育った実家の近況を撮してきましたので紹介させていただきます。


家内の実家は、禅宗臨済宗国泰寺派 正覚山吉祥寺というお寺で、開山は鎌倉時代に遡り、今年で開山後708年を迎えた由緒あるお寺です。 
家内の父は、このお寺の三十五世 雲巌玄輝和尚と呼ばれていました。
  

場所は石川県珠洲市にあり、能登半島先端の外海と内海に囲まれた静かな山の中にあります。
周囲は深い緑に囲まれており、キジの鋭い鳴き声やホトトギスの鳴き声が聞こえるところです。

下の写真は山門への入口です。

 

山門を登ると塀に囲まれた本堂があります。


本堂前の塀に囲まれた内部は、枯山水庭園になっています。


境内にある茶室は、にじり口を設けた本格的な造りになっており、床の間には季節の掛け軸と花があしらわれています。
この茶室は以前、鐘突堂として使用していた木材を再利用して建てられています。


茶室の近くには、俳人 大森積翠氏が寺を訪れたおりに詠われた句碑が建てられています。

        「宝立の峰より明けて ほととぎす」


座敷のある庫裡の横には、林泉式庭園が造られています。
写真の白く写っている部分は、上流(右)から水が流れると緩やかに、且つ均一に左の方に流れる様になっています。


境内にある金比羅堂は、金比羅様が祀られており、30年位前にNHKの「明るい農村」でも紹介され、今回十三回忌を迎えた家内の父も紹介されていました。


同じく境内にある薬師堂は、昔、この寺にあった薬師様を別の地域の寺に移したものだそうです。ところが、この寺が廃寺になり、薬師様が再び戻ってこられたため旧鐘突堂跡地に薬師堂を建てられて、祀るようになったそうです。


本堂横にある宝物殿に保管されている仏像は、室町時代(1405年)に作られた事が書かれており、このような在銘仏像としては石川県最古のものと言われていましたが、最近金沢で更に古いものが見つかったそうです。
  


その他にも多くのお宝が保存されていますが、私には謂われが判りません。


庫裏の裏手には、先代が作られた池のある庭があり、水辺の植物が群生しています。
家内は子供の頃、この池に落ちた想い出があるそうです。


鐘突堂は、寺の入口に移設されており、梵鐘はこのお堂の中にあります。


山門を登った傍にある六地蔵


現住職である家内の兄は、学生時代からベーシストにあこがれていたそうで、一昨年、金沢の「21世紀美術館」で仲間とライブ演奏したそうです。


兄の娘は地域の名産である珠洲焼の仕事を行っており、(3月22日の記事で初個展を紹介)この時の作品の一部を分けて頂きました。