作品393 Lockheed SR-71A Blackbird


Lockheed SR-71A Blackbird
米空軍   アカデミー   1/72
高々度を音速の3倍以上で長時間飛行できる戦略偵察機。1976年7月28日実用機による世界速度記録3,529.56km/hを達成している。
先進的な技術を導入しており運用の難しさとコストが問題となり1990年に退役した。



第1720話 SR-71A完成
アカデミー社製‘SR-71A “History“’ が完成しました。

完成した‘Lockheed SR-71A Blackbird’ は米国のロッキード社(現Lockheed Martin社)のスカンクワークス (Skunk works)と呼ばれる極秘先進技術設計チームによって開発された高々度を超高速で飛行する戦略偵察機です。


‘Lockheed SR-71A Blackbird’ を簡単に紹介することが困難なくらい、特徴と逸話を持っています。

冷戦時代、旧ソ連の軍事施設をスパイする目的で高々度(高度25,000m以上の成層圏)を飛行する偵察機‘Lockheed U-2 Dragon Lady’ が同じスカンクワークスで開発され、1956年から旧ソ連弾道ミサイル等の配備状況を監視していました。1962年にはキューバに持ち込んだミサイルを発見するなど一定の成果を上げていました。
ところが1960年代に入るとミサイル性能が向上し、旧ソ連領内を飛行していたU-2偵察機が撃墜され、パイロットが捕虜となる事件も発生するようになりました。
この結果を受け、高高度でマッハ3級の超音速飛行を行うことでミサイル迎撃を回避することを目標にした戦略偵察機‘Lockheed SR-71A Blackbird’ が開発され、1967年には実戦配備されました。


‘Lockheed SR-71A Blackbird’ は高度25,000mをマッハ3.3を維持して5,000Km飛行できることから退役するまで敵の戦闘機やミサイルにより撃墜されることがありませんでした。
特異な性能を発揮させるため、それまでの航空機の常識を越えた新技術が多く導入され、そのことが機体価格と運用コストの上昇を招き問題となりました。

その後、偵察衛星の性能向上と整備が図られ、1990年には全機退役しました。
現在米軍の偵察任務は偵察衛星無人偵察機(UAV)に加え、一世代前の‘Lockheed U-2 Dragon Lady’ が行っています。


今回製作したアカデミー社製のキットは、ハセガワ製キットをコピーして一部改良した物のように見受けられました。
この会社の製品はそのように感じられるものが他にも幾つか見受けられ企業の姿勢が問われているようです。
このキットの評価というかハセガワのキットの評価になるかも知れませんが、パーツ数が少なく簡単に組立てられますが、パーツの合いや一部実機と異なる点も見受けられ修正が必要でした。
デカールはカルトグラフ製を使用しており、発色・強度・定着性など全く問題がなく、見栄えが良い機体に仕上げることができました。
今回製作した機体は1968年当時、沖縄の嘉手納空軍基地に配備されていた第9戦略偵察航空団 第1戦略偵察飛行隊 第1分遣隊所属機です。









現在アフガニスタンなどで活躍している無人偵察機‘General Atomics RQ-1A Predator’ と並べてみました。


同じく無人偵察機で、福島第1原発事故の際にグアム島の基地から飛来し、日本本土を長時間偵察した‘Northrop Grumman RQ-4B Global Hawk’ と並べてみました。
Global Hawkの主翼が長すぎ、同じ方向に並べることができませんでした。


前作の‘FOLLAND GNAT T.1’ と並べてみました。
同じ2人乗りの機体ですが、大きさを比較すると全長が32.73m(SR-71A)対8.74m(GNAT)、全幅が16.94m(SR-71A)対6.73m(GNAT)、全高が5.63m(SR-71A)対2.46m(GNAT)となっており、その巨大さがよく判ります。