作品233 Grumman F11F-1 Tiger


Grumman F11F-1 Tiger
米海軍  ハセガワ  1/72
1950年代後半のアメリカ海軍の戦闘機で世界初の超音速艦上戦闘機といわれている。小型・計量を主眼に開発され、1955年月に水平飛行でマッハ1.12を記録した。
この機種をパワーアップしたF11F-1F Super Tigerは、日本の航空機選定疑惑の第1号として有名になったロッキードグラマン事件の対象機種。



第383話 Grumman F11F-1 TIGER完成
コンボキットの中からGrumman F11F-1 TIGERが先に完成しました。
さすがにカルトグラフ社製のデカールは発色が良く、機体に映える出来映えとなりました。
キットそのものは古いキットであり、パネルなどの表現は凸表現になっていますが、各パーツの合いなどは、特段問題がなく完成しました。
このGrumman F11F-1 TIGERは、アメリカ海軍の艦上戦闘機として最初の超音速戦闘機となりましたが、当初の予定より機体重量が増え、エンジンが非力であったこともあり性能的に期待されたものが発揮できず、更に全天候性能や多用途性能にも問題があり、実戦配備は1957年から1961年と短期間となっていました。


また、この機種にまつわる政治スキャンダルも発生しました。
1957年、第一次防衛力整備計画に基づく、旧式化した自衛隊の主力戦闘機F-86F(昨年8月4日の記事で 紹介)にかわる超音速戦闘機300機の機種選定(第1次FX選定)作業が行われていました。
この候補となった機種にGrumman F11F-1 TIGERのエンジンをより強力なものにした性能向上型のGrumman F11F-1F SUPER TIGERと当時究極の有人戦闘機と言われたLockeed F-104が最終候補に残りました。
当初、防衛庁はLockeed F-104を内定していましたが、安部前総理の祖父にあたる岸信介内閣成立後の1958年4月、日本政府はグラマンF11F-1Fを採用する決定を行った。
この決定に際して汚職の疑いやら、実現性についての疑問などが持ち上がり、最終的にLockeed F-104(昨年3月25日の記事で 紹介)を採用することになりました。
この間に30億円と言われる巨額の不正資金が岸内閣に入ったといわれており、最初の航空機選定疑惑事件となりました。