第2219話 鎌倉の紅葉 その3


昨日、鎌倉市が春と秋にそれぞれ2日間だけ一般公開している鎌倉山にある扇湖山荘(せんこさんそう)の紅葉を見てきました。


扇湖山荘は我が家から稲村ガ崎や七里ガ浜に向かう抜け道の近くにあり、鎌倉市民にもあまり知られていない隠れ家といった風情のところです。
昭和初期に、わかもと製薬という会社の創設者である長尾欽彌の別邸として築かれ、立派な本館のテラスから眺める鎌倉の海が扇形に見えることから扇湖山荘と呼ばれるようになったそうです。付属する庭園は有名な庭師の作といわれ、この時期大変美しいもみじの他、梅、さくら、椿、孟宗竹などの林が点在し、由緒ある茶室も築かれています。
平成22年10月に鎌倉市がそれまでの所有者から寄付を受けたもので、維持管理は鎌倉市と鎌倉造園界が協定を結んで行っているそうです。
扇湖山荘の紹介は2年前の記事は2014年11月29日の記事で詳しく紹介しています。(アンダーラインの付いた紹介をクリックすると当日の記事が見られます)


扇湖山荘の入口は通常門が閉じられており、まったくその奥を想像できないほど地味な存在です。


入口で鎌倉市の職員から案内の紙を受け取り、庭園内に入ると緑に囲まれた世界になりました。


庭園内の案内板に従い、伏見宮邸から移築されたという茶室「伏見亭」へ向かいます。


茶室「伏見亭」は庭園内の一番高台に設けられており、横浜市内も一部見渡せました。


茶室の屋根には2日前に関東地方に降った雪が残っており、紅葉の赤と空の青のコントラストが素敵でした。


茶室周辺の紅葉は雪による寒さのためか真っ赤になっていました。


緑の松が真っ赤な紅葉を引き立てています。


庭園入口を跨ぐ高架橋を渡って本館に向かう道。


庭園内の孟宗竹林です。


本館に到着するとテラス部分に除雪された雪が残っていました。


南庭から見た本館は緩やかな斜面に建てられた3階建ての建物となっています。市の説明書では2階構造と紹介されており、半地下の洋風な作り部分の紹介がありません。


本館内部には広い座敷が数室あり、重厚な照明がマッチしています。


座敷の襖にも装飾が施されていたようです。


外壁の窓にも細工がありました。


南側から見た本館のテラスは半地下部分の上にあります。


テラスから見た逗子方面の相模湾です。


本館の玄関は車寄せを含む構造となっており、内部は重厚な作りとなっています。


玄関前の大銀杏は黄色く紅葉する前に降った雪により色あせた感じがしました。


大銀杏の近くでは庭園を管理している鎌倉造園界の方々が募金を呼びかけており、少しばかり協力したところ、「少しばかりですが」とギンナンが入った小袋を頂きました。

このイベントは鎌倉市が行っていることもあり、一般公開は金曜日の午後と土曜日の午前中と午後に分けて行われており、市役所の窓口と同じく昼の12時から1時間入場できないのが残念です。