第2202話 腹部大動脈瘤手術後の経過


10月14日に腹部大動脈瘤部分を人工血管に置き換え、無事手術は終了しましたが、術後の回復に予想以上の時間が必要でした。


手術後に起きた最初の問題は、手術の時に腹から出された小腸、大腸等の消化器系の臓器が再度腹の中に戻されたといっても大変長い臓器でもあり、元の様に収まったわけではないため、腸閉塞の可能性もあります。オナラの量と便の形状が整うまで数日かかりました。臓器の収まりが改善されてから、この問題は解消されました。
  
次に縫合部分に残った小さな傷口の処理に多くの時間がかかりました。
手術後一週間で縫合部分の抜糸と金属針を外しましたが、私の腹は大きく、皮下脂肪も多いため下腹部の一部が繋がらず、穴が開いたような状態になりました。
この穴から細菌が入らないように抗生物質と下剤を摂り始めたところ、三日間下痢状態が続き、夜も良く眠れない状態となりました。
医師に窮状を訴えたところ抗生物質と下剤が変わりましたが、今度は二日半の便秘が続いてしまいました。この便秘は整腸剤と下剤の量を調整することで解決しました。


腹部に残された穴はかなり深く、内部から浸出液という液体が少しずつ湧き出しています。この浸出液が傷の回復を助ける働きがあるそうなのですが、傷が深いため中々穴が塞がりませんでした。
この浸出液を排出し、内部の肉の盛り上がりを助けるため、穴内部と周辺にスポンジ状の物を取り付け、このスポンジにチューブを取り付けて周囲を密閉し、このチューブを一定の圧力で吸引する「局所陰圧持続吸引療法」という治療が一ヶ月間行われました。
その結果、穴内部に薄い表面層ができ、穴の直径も小さくなったことから退院することになり、12月9日に退院することができました。


現在も穴内部の浸出液が完全に止まったわけでなく、穴が塞がった状態となっていないため、二日に一回通院して処理を行っています。